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テイルズオブベルセリア【レビュー】爽快なバトルと重厚な世界観に引き込まれるRPG

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こんにちは、エナ(@kii_ena)です。

今回は、PS3&PS4用ソフト「テイルズ オブ ベルセリア(TOB)」の感想をご紹介したいと思います。

 

本作はテイルズシリーズにはめずらしい、ダークな世界観となっており、ストーリーのテーマは「復讐」

ハッキリ言うと、やや重さを感じさせる内容ではあります。

しかしその一方で、「世界を敵に回してでも自分の意志を貫き、行動していく」という主人公とその仲間たちの生き方や人間模様を描いたストーリーは、強く惹きつけられるものを感じました。

 

テイルズオブベルセリアは、前作「テイルズ オブ ゼスティリア」の過去の世界が物語の舞台となっている作品ですが、ゼスティリアをプレイしたことが無い人でも十分に楽しめる作品となっています。

こんなゲーム

・復讐を目的とした女性ダークヒーローの生き方・人間模様を描いたストーリー

・ボタン1つでコンボが可能、ド派手な術技や秘奥義で爽快な戦闘が楽しめる

・装備の強化、スキルの習得などの成長システムは中毒性が高い

・引き継ぎ要素があるので、ストーリークリア後は2週目を強い状態で楽しめる

作品情報

ゲーム名Tales of Berseria(テイルズ オブ ベルセリア)
対応機種プレイステーション3 プレイステーション4
ジャンルRPG
発売元バンダイナムコエンターテインメント
発売日2016年8月18日
対象年齢(CERO)B(12歳以上対象)
プレイ可能人数1人(戦闘のみ1~4人)

 

良い点

完成度が高く、爽快感のある戦闘システム

テイルズオブベルセリア 戦闘画面

画像出典元:PlayStation.Blog

戦闘は歴代のテイルズシリーズ最高クラスの面白さだと感じました。

ベルセリアの戦闘は、「フリーラン(戦闘フィールドを縦横無尽に駆け巡る)」がベースとなっており、

2D戦闘のテイルズ(ファンタジアやデスティニーなど)とは異なる、3Dフィールドを利用した戦術・戦闘が楽しめます。

「ソウル」を敵から奪い、強烈なコンボを叩き込む

画像出典元:PlayStation.Blog

キャラクターの攻撃回数は無制限ではなく、ソウルゲージ(SG)に溜まっている「ソウル」の数値の分だけ連携が可能。

戦闘開始時のSGの数値は3となっていますが、「敵の弱点を突く」、「スタンさせる」、「状態異常にする」、「敵を撃破する」といった行動によってソウルの数値を上昇させることができます。

逆に、敵の攻撃によってスタンや状態異常にされてしまうと、ソウルの数値は減少し、連携がしづらくなります。

そのため、ベルセリアでは敵の攻撃を回避しつつ、うまくこちらの攻撃を当て、ソウルを奪いつつ連携攻撃をしていく、という立ち回りが敵に勝利するための大きなポイントとなるでしょう。

今作では、「ブレイクソウル」という新たなシステムも戦闘に導入されています。

ブレイクソウルは、ソウルの数値が3以上の時に発動可能となる特殊能力で、各キャラクターごとに異なる効果が発動するようになっています。

主人公のベルベットは、ブレイクソウル発動後に敵に連携攻撃を行うと、連携の最後に強力な特殊攻撃が発動。有効範囲が広い攻撃が多いため、大量の敵を1度に撃破する爽快感を楽しむことができます。

ただし、ブレイクソウルの発動にはソウルを消費するため、連続で使い過ぎるとソウルが少なくなり、連携数が極端に少なくなってしまうということも。

コツさえつかめば、術技→ブレイクソウル→秘奥義という連携だけで50~80以上のコンボをつなぐことも可能。こうなると戦闘がかなり楽しめるようになります。

 

ボタン1つで術技の発動が可能。コンボや連携による爽快感が手軽に楽しめる。

従来のテイルズシリーズでは「方向キー+△○×□ボタン」というのが術技を発動するための一般的な操作となっていました。

しかし今作では、△○×□の4ボタンそれぞれセットし、技に対応したボタンを押すだけで術技を発動することが可能に。

画像出典元:PlayStation.Blog

術技は各ボタンごとに4コンボまでセッティングが可能。

これだけだと単調に思えますが、術技にはそれぞれ「派生技」というものが存在し、術技の発動後、該当するボタンを長押しすると派生技が発動します。

1)×ボタンで崩牙襲を発動

2)そのまま×ボタンを長押しすると炎牙昇竜脚が発動

派生技に必要な量のソウルが無い場合は、派生技が発動せず、連携が途切れてしまいます。

敵をスタンにしたり有効属性で攻撃し、ソウルを増やしつつ戦えるようになると、手軽にコンボがつながるようになるため、戦闘でかなりの爽快感を楽しめるようになります。

通常の連携と派生技の使い分けが戦況のカギを握るといっても過言ではないでしょう。

「復讐」というストーリーのテーマ

画像出典元:4Gamer.net

本作は「復讐」をテーマにしているということもあって、ストーリーの展開はやや重たい部分があります。

歴代のテイルズ作品のように「王道な展開で世界を救う」という展開ではなく、「自分の意志に従って、目的の為に過酷な道を進んでいく」というシナリオになっています。

ストーリー上では、流血や絶命といった描写も生々しく描かれており、

テイルズシリーズには珍しく、後味の悪くなるような展開を目にすることも多いでしょう。

 

しかしその一方で、「世界を敵にまわしてでも自分の意志を貫き通す」という主人公とその仲間たちの姿は、かなり胸を熱くさせるものを感じさせてくれます。

理不尽な世界に対し、正面から向き合い、傷つきながらも自分らしく生きていこうとするキャラクター達の生きざまを描いたストーリーは強く惹きつけるものがありました。

テイルズオブシリーズとしては、なかなかの異色作ではありますが、正統派のテイルズの作品では感じることができない魅力をもっているといえるでしょう。

強い意志を持った個性豊かなキャラクター

ベルセリアのパーティメンバーは、歴代シリーズの中でもかなり印象に残るキャラクターとなっています。

個性が強いというよりは、良い意味で「クセがつよい」という感じですね。

主人公のベルベット以外の他のパーティメンバーも、自分の意志を尊重して生きているため、時には手段を選ばないことも。「正統派なヒーロー」といったタイプのキャラではありません。

しかし、それぞれが自分の流儀というものに対してしっかりと責任を持って行動したり、

納得のいかないことに対して正面から向き合おうとするので、キャラに対してそれほど悪い印象を抱くことは無いでしょう。

「ダークヒーローが苦手」というタイプの人はパーティメンバーを受け入れるのに少々時間がかかかるかもしれません・・・

個性はバラバラでもお互いを認め合っているという、パーティメンバーの絶妙な距離感は見てて心地よいものを感じましたね。

画像出典元:PlayStation.Blog

チャットシーンでは思わず笑ってしまうようなやり取りも。

個性の強さはストーリーだけでなく、サブイベントなどでも発揮されます(笑)

 

画像出典元:PlayStation.Blog

主人公のベルベットが復讐の対象としているアルトリウス、そしてベルベットたちが敵対している組織「聖寮」のキャラクターも個性が強く、

自分の信念の為に主人公たちを倒そうと向かってくる姿は、敵ながら非常に魅力的です。

ufotableが手掛ける美麗なアニメーション

アニメーションは、前作「テイルズオブゼスティリア」に引き続き、ufotableが制作を担当しています。

さすがufotable、CGを上手く融合しているアニメーションは「綺麗」の一言。

ストーリー中に挿入されるアニメーション映像は、かなり惹きつけられるものがありましたね。オープニングのムービーは、ゲームを開始するたびに毎回最後まで見ていました。

美しく迫力のある3Dグラフィック

画像出典元:4Gamer.net

アニメーションだけでなく、キャラクターのグラフィックも満足度の高いものに仕上がっていました。キャラ同士の戦闘の殺陣のシーンもかなりの迫力。

キャラクターのモデリングの出来も非常に良かったと思いましたね。PS4だけでなく、PS3でもグラフィックの綺麗さを感じられるでしょう。

中毒性のある装備強化システム

画像出典元:4gamer.net

ベルセリアの装備品には「スキル」というシステムが存在し、

・戦闘終了後に入手できるGRADEの数値を稼ぐことにより習得が可能になる「マスタースキル」

・戦闘でのドロップやお店での購入、宝箱から入手した装備品に対してランダムに付与されている「ランダムスキル」

装備品には、主に上記の2種類のスキルがあります。

 

戦闘終了後にGRADEを入手し、装備品の欄に表示されているゲージの数値分までGRADEを貯めると習得できる「マスタースキル」は、キャラが強化されていくことに対する楽しさを感じさせ、戦闘にのめり込ませる中毒性があり、

装備品に対してランダムに付与される「ランダムスキル」は、設定した戦闘難易度によってレアなスキルが付与されている装備品を入手することもできるため、レアスキルが付与されている装備品の入手に熱が入るという中毒性があります。

キャラ強化とレアスキル装備の入手の楽しさを知ってしまうと、プレイ時間は軽く100時間を超えるでしょう。

また、入手した素材で武器を強化すると、「強化ボーナス」に表示されている付与効果も解放されるため、この要素もかなり楽しめます。

この装備強化システムは本当に楽しく、中毒性が高いです・・・

テイルズを盛り上げる、桜庭統の音楽

テイルズシリーズに欠かせない存在といえば、桜庭統氏の音楽です。

ベルセリアでも音楽を担当しており、ストーリーを盛り上げる数々の曲を作り上げてくれました。

本作では個人的にベルベットのテーマ曲と聖寮戦のBGMが強く印象に残りましたね。

 

ベルベットのテーマは、悲しさを感じさせるようなピアノのイントロから始まるのですが、徐々に曲から感じる悲しさは消え、力強い演奏へと変わっていきます。

ストーリー中のベルベットの心境の変化をそのまま表現したようなイメージの曲に鳥肌が立ちました・・・

聖寮戦のBGMはテンポが速い曲で、戦闘時に気持ちを高揚させるようなリズムが非常に心地よく感じました。

やはり桜庭氏の曲は耳に残る名曲ばかりですね。

アイテム収集が楽しい異海探索

画像出典元:PlayStation.Blog

船を入手すると、目的地を選択しアイテムや料理のレシピ、財宝を探しに行く「異海探索」が可能になります。

プレイヤーが直接探索をするわけではなく、自分たちの船の船員に探索を依頼するという形式。

時間の経過(現実世界と同じ時間の進み方)で探索は終了、探索で得た様々なアイテムを入手することができます。

入手アイテムの財宝や素材は道具屋に売ることができるので、異海探索は金策としても役に立ちます。

 

また、他にも戦闘を有利に運ぶための料理のレシピや、キャラの見た目を変えることができるアタッチメントなども入手可能。

探索の回数を重ねていると新しい海域を探索できるようになり、他の海域とは異なるアイテムを新しく入手できるようになります。

アイテムの収集が好きというプレイヤーは大いに楽しめる要素だと思います。

気になったところ&不満点

ねこにんボックスの回収が少し面倒

ベルセリアの世界のフィールドには「ねこにんボックス」という宝箱があり、

ねこにんボックスを開けるには「ねこスピ」という白い浮遊物を一定数集める必要があります。

 

ねこにんボックスを開けるのに必要な数のねこスピが無い場合、ねこにんボックスは開かないため、必要数が貯まったらまたその場所に再び訪れなければならず、

フィールドのワープポイントから遠い場所や、ダンジョン内にあるねこにんボックスを取りに戻るのは正直、面倒な作業に感じました。

マップを移動したり、クリアしたダンジョンに再び潜ってねこにんボックスを開ける手間を考えると、ねこスピを集めた個数に応じてアイテムと交換できる窓口のようなものを街に作っておけば良かったんじゃないかなと、個人的に思いました。

また、普通にストーリーを進んでいるだけでは、すべてのねこにんボックスを開けるために必要な数のねこスピは決して手に入らないので、ねこスピを回収する作業を何度もフィールドで繰り返す必要があります。

このテンポの悪さはアイテム回収の意欲を削いでしまう要素だと思いました。「作業感」をかなり強く感じましたね。

フィールドが広いため、移動が大変

ベルセリアはフィールドの数も多く、ダンジョンも広いので探索を楽しむには最適なのですが、キャラクターの移動速度が速いわけではないので、移動に若干のストレスを感じることも。

「レアボード」という、フィールドを速く移動できるアイテムもあるのですが、入手できるタイミングがストーリーの中盤以降と遅く、

各マップに存在する「地相樹」を見つけなければ、そのエリアでレアボードを使用することもできず、かなり不便です。

 

行ったことのある街やフィールドに瞬時に移動できる「イノーフボトル」というアイテムも存在しますが、入手するには主に街の道具屋などでガルド(お金)を支払って購入する必要があります。

また、道中でイベントシーンやチャットが発生する際には、イノーフボトルを使用できない場合もあります。なかなか使い勝手が悪いです(笑)

イノーフボトルは使い放題にすることもできますが、それが可能なタイミングはラストダンジョン突入以降となります。

 

イベントによってはマップを何度も往復する場合もあるので、個人的にはもう少し移動手段に自由性を持たせても良かったんじゃないかなと思いました。

まとめ

画像出典元:PlayStation.Blog

こんな人におすすめ

・どちらかというとダークな世界観のゲームが好き

・戦闘に爽快感を求める

・キャラや装備の育成・強化にハマりやすい

・正統派なヒーローではなく、ダークヒーロー的なキャラの方が好き

 

歴代のテイルズシリーズと比較すると、異色とも言える作品ではありますが、

作品自体の完成度は高く、中でも戦闘システムに関しては、数多くあるRPGの中でもトップクラスのゲームと言っても過言ではないでしょう。

爽快な戦闘が好きな方、育成や強化などのシステムが好きという方にはおすすめの作品です!