心霊・怪談話

怖い話|実体験「老婆が可愛がる人形」

【2019年5月8日更新】※この話を読む前に知っておいてほしいのですが、私は霊感などは無く、普段の生活でも幽霊などを見ることはありません。

しかし、ある出来事を体験して以来、

・「危険な場所に近づくと速い間隔で鈴の音色のようなものが聞こえる」

・「何かしらの良い出来事が舞い込む前には、ゆっくりとした間隔で鈴の音色のようなものが聞こえる」

上記の2つの現象が私の身に起こるという体質になってしまいました。

特異体質になったきっかけの話はコチラ↓

座敷わらしを見た話【実体験】【2019年5月8日更新】この話は私が幼い頃に体験した実話です。(※私は霊感は全くありません。) 蔵の中の不思議な子ども 私が幼い時...

ちなみに鈴の音色のようなものは私以外の人間には聞こえていないようです。

以上のことを踏まえて、この話を読んで頂けると幸いです。

危険を知らせる警鐘

これはわたしが当時20代で営業関係の仕事をしていた時の話です。

ある日、私は社長から「市内にあるお客さんの家に届け物(窓につける簡易的な防寒パネル)をしてくれ」と頼まれ、目的の家へと向かいました。

お客さんの家を目指して車を走らせている途中、小さい音ではありましたが、速い間隔で鈴の音色のようなもの(以下、鈴の音色)が聞こえ始めました。

はじめは「ラジオかな?」と思ったので音量をゼロにしましたが、それでも鈴の音色は鳴り止みません。

過去の経験上、「向かう先で何か悪い出来事や危険な存在があるんだろうな」と分かっていたので、その時点ではまだ恐怖感は特にありませんでした。

「シャンシャンシャンシャン・・・」

「シャンシャンシャンシャン・・・」

しかし、目的の家に近づくにつれ、鈴の音色は段々と大きくなっていた。

そして目的地に着いた時、わたしにとって警鐘ともいえるその鈴の音色のようなものの音は過去に聞いたことが無いほど大きく、そして速い間隔で聞こえていました。

過去に経験したことが無いほどの音量の鈴の音色が聞こえているという恐怖があったので、「サッサと用事を済ませて帰ろう」と思い、わたしは車を降り、すぐに玄関へと向かった。

二世帯住宅と思われる大きさのその家は古い外観のせいもあり、近づくと更に不気味だった。

住人の口論と得体の知れない恐怖

意を決して玄関の呼び鈴を押そうとした時、玄関の扉のすぐ向こう側から親子と思われる女性2人の口論が聞こえてきた。

そのタイミングで呼び鈴を押すわけにもいかないと思い、口論が収まるまで扉の前で待つことにするとこんなやり取りが。

娘「さっさとアレをどうにかしてよ!何とかしてくれないならお母さんと一緒に住むのやめるからね!」

母「私の大事なものだから無理だよ!そんなに嫌なら出てけ!」

モメ事の最中だったけど、他にも行く場所があったので、呼び鈴を押して名乗り、玄関の中へ入った。

家の中に入った瞬間、高熱が出てる時と同じくらいの身体の重さに襲われた。

鈴の音色の警鐘の意味がすぐに分かった。

霊感が無い人でも分かるくらいこの家はヤバいと。

「○○会社の○○ですが、今日は頼まれていたものお持ちしました。」

私がそう言うと

娘「取り込み中だから、それを置いて今日は帰って!」

娘も母親もかなり怒って興奮していた様子だったので、言われたとおりに頼まれた品物を置いて挨拶をしてすぐに帰った。

その家から遠ざかるにつれ、鈴の音色も聞こえなくなったことと、「用事が終わったのでもうあの家に行かなくて良いんだな」ということもあり、私はようやく安心することが出来た。。

しかし、安心するにはまだ早いようでした。

問題の家に訪問してから3日後、健康だけが取り柄のウチの会社の社長が突然、めまいによる体調不良で早退した。

当時勤務していた会社は社長と私の2人だけで業務を行っていたので、その日は私だけで業務をこなすことになった。

デスクワークをしていると、電話がかかってきた。

これを読んでる人も予想はついてると思うが、電話の主は問題の家の住人(母)だった。

この前届けた品物の取り付けが出来ないので、それを頼みたいとのこと。

孫の声なのか、ぼそぼそと「カ・・レー・・・カ・・レー・・・」という女の子の声が混じっていた。

「カレー?」

私にはそう聞こえたが特に気にしなかった。

気が重かったが、仕事なので問題の家に向かうことに。

恐怖の正体

私は徐々に大きくなる鈴の音色に恐怖しながら再び問題の家へとやってきた。

娘の旦那に商品の取り付けを頼もうと思っていたらしいのだが、前回のケンカにより娘夫婦は家を出ていってしまったので無理だったそう。

品物の取り付けを依頼されている台所へと案内され、足を踏み入れた瞬間、足が重くなり、冷や汗が出てきた。

恐怖感が強いせいで、「原因は何か?」などということに全く気が回らなく、一刻も早く作業を終わらせて帰りたいという気持ちしか無くなっていた。

しかし、台所にある食卓テーブルを見た瞬間にこの家に感じた恐怖の正体がすぐに分かった。

食卓テーブルにある4つの椅子の1つに

整えられていないバサバサの長髪で、白い部分が無く全ての部分が真っ黒の大きい瞳、家主の手作りと思われる服を着せられ、サイズは90cmくらいという、不気味さがただよう人形が座らされていた。

あまりに不気味だったので、まじまじと人形を見ていると家主が人形について話してきた。

「可愛いでしょう。私の子供なの。服は全部私が作ったものを着せててね、目は真っ黒だけのほうが可愛いから白い部分は塗りつぶしたの。身長は90cmくらいだから本当に子供みたいなの。髪が傷んでるのは、いつも一緒にお風呂に入った後にドライヤーで髪を乾かすからチリチリになっちゃってねー」

服の出来栄えと人形のサイズ感のせいなのか、本当に人間に見えてもおかしくないような人形だった。

ささやく声とポルターガイスト

作業を開始すると家主が

「買い物に行ってくるので少し留守にします。コーヒーを入れておいたので良かったら飲んでください。」と言って出かけていった。

「家主不在で不気味な人形のいる台所で1人きりで作業」という

もうこれ以上に無いくらい最悪な条件が整ってしまった。

しかし、作業内容は難しくないのでさっさと終わらせることにした。それでも30分はかかる。

作業を開始して5分、背中への視線と何かの気配をひしひしと感じながらも作業を進めた。

ところが10分経過したあたりで異変が起こり始める。

女の子の声でぼんやりと声が聞こえ始めた。

はっきり聞こえないので「外で子供が遊んでる声かな?」くらいにしか思ってなくて、最初は気にしていなかったが、徐々に様子が変わっていった。

声が段々と近づいてきていて、気が付くと真後ろの食卓テーブルのあたりから

「カ・・レー・・・カ・・レー・・・」

という声が聞こえ始めた。

家に誰もいないので、恐怖を無くすために大きな声で明るめの歌を歌い始めると、その謎のささやき声はしなくなっていた。

少し安心した私は急いで作業を終わらせた。

片付けも終えて、「ようやく帰れる・・・」という嬉しさから恐怖感はかなり無くなっていた。

後は家主が戻るのを待つだけだった。

台所は人形がいて怖いので居間で待たせてもらうことにした。

しかし、家主の帰りを待つ場所をその家の中にしてしまったのが私の最大の誤算でした。

「ガチャ、バタンッ」

玄関のほうから扉の開閉音がしたので、家主が帰ってきたと思い、玄関のほうへ行った。

しかし、玄関には誰もおらず、家主も帰ってきていなかった。

気のせいと感じるには程遠いほど扉の音がハッキリ聞こえていたので、私は再び怖くなった。

居間に戻る途中にふと、台所のほうに目を向けると食卓テーブルの上に上がったコーヒーカップに気づいた。

家主が「よかったら飲んで」と言ってコーヒーを入れてくれていたことを思い出した。

出かける際、家主は急いでたのか、インスタントコーヒーを混ぜた時のスプーンがカップの中に入ったままだった。

人形のいる台所に行くのは気が引けたが、飲まないのも失礼かと思い、私はコーヒーを取りに台所に向かった。

コーヒーカップの置いてある食卓テーブルの1メートル手前まで来た瞬間だった。

「カラン・・・」

まだ触れてもいないのに、コーヒーカップの中に入っているスプーンが音を立てて少し動いた。

その音に驚き、食卓テーブルの少し手前で私は固まった。

「歩く振動で少しスプーンが横にズレただけかな?」

そう考えて恐怖を遠ざけようとしていると、椅子に座っている人形のほうから視線を感じた。

見なければ良かったものを、人形のほうを見たことによって私は違和感に気づいてしまった。

正面を向くように置かれていたはずの人形の首の角度が、斜めの方角に置いてあるコーヒーカップのほうに向いている。

「さっさとコーヒーカップを持って居間に行こう」

そう思って私がカップに手を伸ばそうとした矢先だった。

「カランカランカランカランカラン・・・」

コーヒーカップの中に入っているスプーンが、ゆっくりとした速度でカップの内側を1周した。

頭が真っ白になった。

誰もカップやスプーンに手を触れていない。

ゆえに、スプーンが1周するほどの勢いの水流がカップ内のコーヒーに発生するわけがない。

色んなことを考えて心霊現象をどうにか否定しようと試みた。

「家の傾斜?それはないよな・・・磁石?いや、そんな強力な磁力を発生させるものがあるなら、スプーン以外の金属にも反応してるはず。」

青ざめながら考えていると家主が帰ってきた。

ニコニコしながら帰宅した家主だったが、私がさっき起きたことを説明した途端に無表情になり、

「作業が終わったようなのでもうお帰りください」と、

私に言い放った。

私も一刻早くもこの家を出たかったので、家主に「失礼します」と言って台所から立ち去り、玄関に向かった。

玄関の扉を開けて出ようとした瞬間、聞き覚えのある女の子の声が聞こえた。

今度はハッキリと。しかも耳元で。

「かえれ、、、かえれ、、、」

声的にも距離的にも家主の声ではなかった。

そしてその声を聞いて分かりました。

会社にかかってきた家主との電話で聞こえた女の子の「カ・・レー・・・カ・・レー・・・」という声と、作業中に聞こえた「カ・・レー・・・カ・・レー・・・」という囁いていた声は

この家の何かが私に「帰れ・・・帰れ・・・」と言っていたのだと。

皆さんも気配や視線の感じる人形にはくれぐれもご注意ください・・・